水彩画の額縁はどう選ぶ?額装のポイントを解説
優しい色彩と透明感が魅力の水彩画は、飾ることで部屋にあたたかみを演出できる絵画ではないでしょうか。
ここで重要となるのが額縁です。飾り方次第では、作品の美しさをさらに引き立てつつ、好みの雰囲気を作り出すことができるでしょう。
この記事では、水彩画の基本を紹介したうえで、額縁の選び方や額装方法、おすすめの額縁をご紹介します。
水彩画とは?
水彩画とは、水で溶いた絵具で描いた絵画のことです。
使われる水彩絵具には、透明水彩絵具と不透明水彩絵具の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。
透明水彩絵具は透明なので、色を塗り重ねても濁りにくく、奥行きのある表現が可能です。また水の量を調整して色をぼかしたり、にじませたりする独特の表現ができます。それに対して不透明水彩絵具は塗りムラができにくく、下の色が透けて見えないのが特徴です。色を重ねて塗れば、重厚感のある絵に仕上がります。
なお画材の性質上、水彩画は光に弱く、蛍光灯の下に置くだけでも少しずつ色が褪せてしまいます。また、湿気の多い場所に置くと絵具がにじんでしまうことも。作品の美しさを守りながら飾るには、額縁などで保護する必要があります。
額縁の選び方
水彩画に適した額縁の選び方を紹介しましょう。購入前に以下の点を確認します。
水彩画のサイズを測る
額縁選びではまず、飾る水彩画のサイズを測ることが大切です。正確な大きさを知ってはじめて、作品に合う額を絞り込むことができます。
サイズを測るときは、テーブルなど平らな場所へ作品を置きましょう。作品をしっかり伸ばした状態で、縦・横・厚みをメジャーで正確に測ります。計測の際に作品を傷つけてしまうのが心配な方や正確に測れるか不安な方は、額縁の専門店へ持ち込むのもおすすめです。
額縁のフレーム素材を選ぶ
優しい色合いが多い水彩画を飾るなら、額縁のフレーム素材までこだわりたいところです。一般的なフレームに使用されている素材は、木・樹脂・MDF・金属などがあります。
木のフレームはナチュラルであたたかみのある印象を与え、インテリアともマッチしやすい素材です。水彩画の雰囲気とも合わせやすいですが、木材の質にこだわると高価になる傾向があります。
比較的リーズナブルに購入できる素材は、樹脂やMDFです。樹脂はプラスチックで作られているため軽量で扱いやすいですが、木材よりも耐久性に劣ります。またMDFは合成樹脂に木のチップや繊維などを加えて作られているため木の質感に近いですが、天然木のように割れたりそったりしにくいのが特徴です。ただし、MDFも耐久性は木材よりも低いのが難点です。
金属製のフレームは他の素材と比較して耐久力が高く、大きな作品を入れるのに適しています。シャープでモダンな印象を与えますが、作品によっては額縁の方が目立ってしまう点に注意しましょう。
額縁のデザインを選ぶ
水彩画は油絵と比べると色彩が柔らかいため、額縁が太すぎるとバランスが悪くなります。作品や飾る場所に合わせて、合うデザインを選びましょう。
額縁の主張を最小限に抑えたいときは、なるべくフレームが細いものを選ぶと良いでしょう。作品の存在感をしっかりとアピールしたいときは、あえてフレームが太いものを選ぶこともあります。
また額縁の色合いにも注目してください。水彩画に温かみのある色合いが多く使われていれば、赤や茶などの暖色系の額縁がおすすめです。青・青緑・白など寒色系が多い場合は、黒や紺などの額縁と合わせると良いでしょう。
関連ページ:【額装】作品を綺麗に額装するための条件②
水彩画の額装方法は?
安井商店で水彩画を額装する場合、マット額装と浮かし額装の2種類を提案しています。ここでは、それぞれの違いをご紹介します。
マット額装
マット額装とは、額装とマット(台紙)を組み合わせて作品を飾る方法のことです。ガラス面と作品が直接触れるのを防ぎ、作品を保護します。
また、マットを入れると作品の周りに空間ができ、奥行きや立体感を演出できます。作品にサインや番号などがあれば、それらが隠れないように窓の大きさを調整することも可能です。
マットの色合いはクリームやホワイトが基本ですが、他のカラーを合わせることもできます。たとえばレッドのマットを合わせると高級感のある印象に、ブラックだと引き締まった印象に仕上がります。額縁とマットの組み合わせ次第で、さまざまな雰囲気に変えられるのがマット額装の魅力です。
関連ページ:【額装方法】版画・水彩画額装(マット額装)
浮かし額装
浮かし額装とは、額縁の中央で作品が浮いているように見える額装方法です。光を当てると額縁の中に影ができ、作品の存在感が引き立ちます。
水彩画は油絵よりも薄いため、シワやたるみが生まれやすいのが特徴です。そこで安井商店では、作品の裏側に薄い紙を張って補強(裏打ち)してから、ベニア板やアルミ複合板へ張り込みます。裏打ちをすることで作品からベニア板やアルミ複合板を剥がせるようになるため、別の額縁と交換したいときにも便利です。
なお、浮かし額装では作品周りの空間を広くとる必要があり、厚みのない額縁には作品を入れられません。十分に厚みのある額縁を選びましょう。
関連ページ:【額装方法】版画・水彩画額装(浮かし額装)
水彩画におすすめの額縁
以上の選び方をふまえて、安井商店で取り扱っている商品のうち水彩画におすすめの額縁を3点ご紹介します。額縁選びの参考になれば幸いです。
【水彩額】BH-03J-WD1
やさしい質感が水彩画にマッチする、木目調の額縁です。シンプルで飾る作品を選ばず、インテリアとも合わせやすいのが特徴です。アルミ製なので、スリムなデザインでありながら耐久性にも優れています。
- サイズ:352×443(水彩4F)小型、430×522(水彩6F)小型、521×596(水彩8F)小型、596×
671(水彩10F)小型
- フレームのカラー:ホワイト、ブラウン、ブラック
- マットのカラー:ホワイト、クリームから選択可能。他のカラーは別途購入
関連ページ:【水彩額】BH-03J-WD1の商品ページ
【水彩額】BH-18F-BR
ゴールドの縁取りが施された額縁です。作品の存在感を際立たせるとともに、ゴージャスな印象を与えます。インテリアのポイントになるような商品を探している方におすすめです。
- サイズ:352×443(水彩4F)小型、430×522(水彩6F)小型、521×596(水彩8F)小型、596×
671(水彩10F)小型
- フレームのカラー:ブラウン、ホワイト、グリーン
- マットのカラー:ホワイト、クリームから選択可能。他のカラーは別途購入。
関連ページ:【水彩額】BH-18F-BRの商品ページ
【水彩額】MH-16K-BS
ベージュにグレーが混じった、味のあるくすんだ色合いが魅力的な額縁です。作品に重厚感をもたらすとともに、木のようなあたたかみも感じられます。アンティーク調のインテリアがお好きな方や、木製家具を中心にコーディネートしている部屋にぴったりです。
- サイズ:352×443(水彩4F)小型、430×522(水彩6F)小型、521×596(水彩8F)小型、596×
671(水彩10F)小型
- フレームのカラー:ブラッシュシルバー
- マットのカラー:ホワイト、クリームから選択可能。他のカラーは別途購入
関連ページ:【水彩額】MH-16K-BSの商品ページ
まとめ
今回は、水彩画に適した額縁を選ぶポイントや、おすすめの商品をご紹介しました。
水彩画は湿気や日光などの影響を受けやすいため、額縁で作品を保護することが重要です。また、魅力を引き立ててくれる商品を選べば、インテリアとしても楽しめます。お気に入りの作品にぴったりの額縁を選び、部屋をおしゃれに演出してみてください。
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