油絵を飾る額縁は?作品に合わせた額装方法とおすすめの額を紹介

額縁に飾られている絵と聞いて、油絵を想像する方も多いのではないでしょうか。

 

油絵に使われる油絵の具は、環境に影響を受けやすい画材だからこそ、きれいに飾るには絵に適した額縁選びがとても重要となります。

 

この記事では、油絵用の額縁を選ぶ際のポイントと、主な額装方法、おすすめの商品をご紹介します。お気に入りの絵をきれいに飾りたいと考えている方は、ぜひご覧ください。

 

 

 

 

油絵の特徴

油絵とは、油絵の具で描いた洋画のことです。

 

 

油絵に使われる油絵の具は、顔料と乾性油を混ぜ合わせ作られています。顔料は色付けする材料、乾性油は絵の具を固めるノリのような役割です。両方の素材を使用すると色彩と固定の両方ができる仕組みとなります。2つの素材の要素を混ぜ合わせると、艶があり定着した油絵が描けます。

 

油絵は写真に見える写実的な作品から力強い重厚な作品まで、幅広い作品の制作が可能です。また油絵の具の特性上、高い耐久性を有していることから、描かれた作品は長年の時間が経っても同じ状態で鑑賞しやすいのも魅力となります。ただし劣化を防ぐためには、保管方法に気を付けなければなりません。

 

油絵に使われる道具

油絵に必要な道具として油絵の具や溶き油、絵筆、パレット、イーゼル、キャンバスなどがあります。

 

初めて油絵に挑戦する場合、まずはスターターセットを買うのも良いでしょう。油絵の描写に必要な油絵の具やパレット、 油壺などが入っており、一つずつ買い揃えるよりは手軽に始められます。

 

油絵の具は、顔料と乾性油を混ぜ合わせて作られた絵具です。上級者用から初心者向けの絵の具まで数多くのものがありますが、初心者は10~12色程度のセットを購入するのがおすすめです。最初に購入した絵の具を使用し、徐々に自分の理想とする絵の具を求めていくのが良いでしょう。また多くの色は原色の絵の具を混ぜ合わせると再現できます。理想の色を探して絵の具を混ぜ合わせて、試行錯誤するのもおすすめです。

 

溶き油は簡単に言えば、水彩画の水分と同じ働きをするアイテムです。溶き油を使用すると表面の艶や光沢を出せるので、綺麗な作品の仕上がりを実現できます。また、製品によって仕上がりや乾燥時間が異なるため、使用しやすいものを選んで購入するのがおすすめです。

 

絵筆は、絵を描くための筆です。絵筆は豚毛を使用した硬質なものから水彩用の柔らかい素材まで、様々な道具が販売されており、求めるタッチや描写に応じて使い分けましょう。ただ繊細な絵筆は傷みやすいため、きちんと手入れをして丁寧に使用する必要があります。

 

パレットは、絵の具を乗せるアイテムです。ずっと絵の具を放置している状態が続くと、パレットに乾燥してこびりついてしまう原因となります。常に使用後は洗い、清潔さを保つのが大切です。

 

イーゼルは、キャンパスを描く時に立てかける道具です。セットしている絵画の高さを調節できるので、快適に絵画を描けます。また屋外に異動して描写している場合も、立てかけて使用することが可能です。

 

キャンバスとしては、一般的には麻布を貼ってある張布が販売されており、購入後にすぐ描写ができる形になっています。ロールキャンバスと木枠を別々に購入して貼り付けることも可能です。

 

 

 

 

 

 

油絵向けの額縁の選び方

 

油絵を飾る額縁は、複数の要素により構成されています。絵にぴったりなものを選ぶには、選び方をおさえておくことが大切です。購入前に、以下の選び方を確認しておきましょう。

 

 

油絵の厚さを測る

油絵はそれぞれ厚みが異なるため、選ぶ額縁もそれに合わせなくてはなりません。まずは額縁の厚さを測りましょう。また、画材からも額縁を選ぶことができるため、そちらもおさえておくとより選びやすいです。まとめると、このようになります。

 

画材の厚さ

画材の種類

適している額縁

3mm以下

張りキャンパス

油彩紙

シナベニヤ板

一般額(デッサン額)

20mm前後

張りキャンパス

木製パネル

油絵額(油額または油彩額)

 

まずは飾りたい絵の厚さを測り、額縁の候補を絞り込みましょう。

 

 

油絵の縦・横の寸法を測る

次に、油絵のサイズを測ります。額縁はサイズごとに適しているものが異なるため、こちらも欠かさず測りましょう。縦と横の寸法を、メジャーを使って測ってください。

 

額縁のサイズに合わせて作られた絵でも、寸法を勘違いしたために合わないケースもあります。どうしても心配な場合は専門店に持ち込み、スタッフに測ってもらうといいでしょう。

 

 

額縁を選ぶ

次に、測った寸法を元に額縁を選びます。絵の厚さ・縦と横の寸法に合致しているものを絞り込むと、選びやすくなります。一口に額縁といってもさまざまな色やデザインがあります絵を引き立てるものを選びましょう。

 

どうしても選べない場合は、専門店のスタッフに力を借りましょう。ある程度候補を絞り込んでもらえます。また、絵に合わせて額縁を作ってもらうのもいい方法です。

 

 

ライナーまたはマットを選ぶ

額縁を選んだら、次はライナーまたはマットを選びます。

 

ライナーは、油彩額の内側に設置される二重構造の内側の枠です。

 

マットは、額縁と保護板の間に挟むものです。絵を保護しつつ引き立てる効果があります。

 

ライナーやマットは、入れることで、作品をより綺麗に見せることができます。額縁同様、サイズや色もさまざまです。同じ絵や額縁でも、これらが変われば与えられる印象は大きく変化します。油絵を飾るうえで注目したい重要なパーツです。

 

 

保護板を選ぶ

通常、額縁に入れられた絵は保護板が被せられています。保護板は材質により機能が異なるため、額縁やマット同様、絵や飾る環境に合わせて選びましょう。

 

材質

メリット

デメリット

アクリル

割れにくく透明度が高い

傷付きやすい

静電気でほこりがつきやすい

 

ガラス

 

傷がつきにくく掃除しやすい

 

重くて割れる可能性がある

 

保護版に適したクリーナーなども異なります。使いやすさや求める効果に合わせて選びましょう。

 

 

 

 

 

 

油絵の主な額装方法

油絵は額縁に入れる技術、つまり額装によっても印象が大きく変化します。選び方とあわせて、額装方法も覚えておきましょう。

 

ライナー額装

ライナー額装は、作品の大きさに合わせてライナーを作り、それに沿って額縁を作成・額装する方法です。やり方を簡単にまとめると、以下のようになります。

 

  1. 油額からライナーを取り外して作品にセットする
  2. ライナーの上に保護板を敷く
  3. 埃が入っていないか確認し、入っていた場合は取り除く
  4. 額縁を上から被せる
  5. 裏側に金具と紐を取り付ける

 

油絵は力強い色をしたものが多く、しっかりしたデザインの額縁にも負けません。大きめまたはデザイン残った額縁を飾る場合は、ライナー額装で飾るといいでしょう。

 

関連ページ:【額装方法】油絵額装 (ライナー額装)

 

まくり額装

まくり額装は、木枠の貼られていない油絵を額装する場合に採用される方法です。作業は以下の流れで行います。

 

  1. まくり絵状態の作品にベニヤ板を貼りこんでしわを伸ばす
  2. 絵をライナーにはめ込む
  3. フレームマスターを用いて絵をライナーに固定する
  4. 表面にしたら保護板を被せる
  5. 枠を被せたら裏面にして、裏板・トンボ・吊り金具を取り付ける
  6. 保護板がアクリルの場合、静電気除去スプレーをかける

 

まくり絵の場合、板を貼ってしわを伸ばす作業が必要です。特殊な道具も使います。まくり額装をしたい場合は、専門家に額装を依頼しましょう。

 

関連ページ:【額装方法】油絵額装 (まくり額装)

 

うかし額装

浮かし額装は、油絵が木枠に貼られている場合に採用される方法です。作品よりも一回り大きい額縁を作って作業します。

 

  1. 作品よりも大きく深さのある額縁を用意する
  2. 木枠を取り付ける裏板を取り外し、木枠を裏板に置いて固定する位置を決める
  3. 位置を決めたら裏面からビスで固定する
  4. ガラス押えを被せてから保護板を被せる
  5. 作品内に埃が入っていたら取り除く
  6. フレームを被せたら金具と紐を取り付ける

 

作品の周りに空間を作ることで、奥行きや広がりを与えられます。浮かし額装を用いる際は、額縁のサイズがほかの方法とは異なる点にご注意ください。

 

関連ページ:【額装方法】油絵額装(浮かし額装)

 

 

 

 

 

 

油絵におすすめな額縁

 

安井商店で取り扱っている額縁のうち、油絵におすすめなものをまとめました。額縁選びの参考としてご活用ください。

 

関連ページ:油彩額の一覧

 

【油額】Y-20 ゴールド

Y-20ゴールドは角にシンプルな模様を施した油彩額で、シンプルさと高級感を両立した製品です。SM~F10サイズまで展開できる額縁となっています。

 

高級感あるデザインは、飾る絵を選びません。多くのお客様にご好評をいただいております。絵を引き立たせるだけでなく、華やかなインパクトを演出したいものが欲しい場合におすすめです。

 

【油額】Y-20 ゴールド 詳細ページ

 

 

【油額】Y-8 シルバー

Y-8シルバーは古風感を醸し出したい場合に最適の油彩額です。また、F0~F10サイズまではガラス入り、F12~F50サイズはアクリル入りとなっています。静かな風景や古風なモニュメントなどの絵画を飾りたい人に、とてもおすすめの製品です。

 

【油額】Y-8 シルバー 詳細ページ

 

 

【油額】Y-8 ゴールド

Y-8ゴールドは目を引く金色のデザインが特徴の油彩額です。額縁の中に入れる油絵がゴールドの効果によって、いつも以上に輝きを増して映ります。油絵に荘厳な見た目の効果を付け加えたい場合に最適な油彩額です。

 

【油額】Y-8 ゴールド 詳細ページ

 

 

【油額】Y-9 シルバー

デコラティブな模様が特徴の、華やかな額縁です。落ち着いたシルバーカラーが上品さも生み出しています。

 

絵を引き立たせるだけでなく、インテリアとしても優秀です。保護板はF0~F10まではガラス入り・F12~F50はアクリル入りでご提供しております。

 

【油額】Y-9 シルバー 詳細ページ

 

 

【油額】Y-10 ゴールド

Y-10ゴールドは製品の縁に枠が付いており、中心の油絵に視線が集まるデザインが特徴の油彩額です。シンプルな形状ですが明るい色合いのゴールドを使用しており、作品全体にも好印象を与えられます。

 

【油額】Y-10 ゴールド 詳細ページ

 

 

 

 

 

 

まとめ

油絵は厚みや寸法・状態がそれぞれ異なります。額装する際は適切な種類・サイズ・額装方法を選択するのがポイントです。同じ絵でもマットや額縁によって大きく印象が変わるため、選ぶときはこれらの要素にも注目しながら選びましょう。

 

安井商店では、油絵用の額縁を多数取り揃えております。また、オーダーメイドも可能です。油絵の額縁や額装に関するご相談も受け付けております。気になることがあれば、お気軽にお問い合わせください。

 

額縁や額装なら創業92年の老舗安井商店|東京・上野のフレーム専門店のTOPへ

 

安井 章浩
Latest posts by 安井 章浩 (see all)