【保存額装】スーパーバリアシートの効果測定
結論は下記の3つ
・額縁の中に入ってくる湿気の多くは裏板側からだということが確認できた。アクリル1 裏板44。
・スーパーバリアシートを使うことによって裏板側から入ってくる湿気を防ぐことができた。裏板44⇒裏板0。必ず入れた方が良い。
・マットを使うことでアクリル側から入ってきた湿気をマットが吸収。作品が吸う湿気の割合を下げる事ができる。
以下が詳細となります。
お客様から
「作品を額装したのち、室内に飾っていたら作品が波うちしてしまった。」といったお声を頂く事がございます。
作品の波打ちの原因は「空気中の湿気が額縁の中に入って、作品がその湿気を吸ってしまった。」事が上げられます。
空気中の湿気は額縁に使われている裏板、アクリルを通過してしまいます。
弊社では波打ちを防ぐために2つ(スーパーバリアシート、マット額装)お客様にご提案しております。
1. スーパーバリアシート 裏板側から入ってきてしまう湿気を防ぎます。
2. マット額装 (マットをアクリルと作品の間に挟むことによって作品とアクリルの間に空間を作ります。)アクリル側から入ってきたた湿気が直接作品が吸わないようにします。
この2つのご提案が実際にどの程度作品保護に効果があるかを確かめるべく、
「東京都立産業技術研究センター」に弊社独自に試験依頼をいたしました。
下記が実験内容と結果になります。
試験報告書(PDF版)
実験内容
・透湿性試験 カップ法
・湿度90%、温度40℃の恒温恒湿槽の中で対象物の透湿性を調べます。
・対象物 同じ印刷物の表面に下記の保護板を置いたものを6種類用意しました。
①アクリル板
②アクリル板+2mm厚マット
③裏板のみ
④裏板バリアシート
⑤裏板バリアシート+バリアペーパー
実験結果
・①と③を比較すると アクリルの透湿性を1とすると裏板の透湿性は44となり、圧倒的に裏板側から湿気が入りやすい。
・③と④を比較するとバリアシートを使わない場合透湿度は44、バリアシートを使うと透湿度は0となった。バリアシートを使うことによって裏板側から入ってきた湿気を防ぐことを確認できた。
・①と②を比較するとマットが湿気を吸っていることが確認できた。
0.6723⇒1.3093にに重さが増加。 差分0.637をマットが吸収。
結論
・額縁の中に入ってくる湿気の多くは裏板側からだということが確認できた。裏板44 アクリル1。
・スーパーバリアシートを使うことによって裏板側から入ってくる湿気をほとんど防ぐことができた。
・マットを使うことによってアクリル側から入ってきた湿気をマットが吸収することで、作品が吸う湿気の割合を下げる事ができる。